■プログラ第 一部■
1.【云何唄(うんがばい)】唱和/松島龍戒
[唄」という声明は、漢字一文字を長い音符で、表現力豊かな「揺り」等と呼ばれるビブラートを多用し唱えるのが特徴です。
云何唄は法要の最初に唱えられる声明曲で、場のざわつきを鎮め、参列者の心と体を落ち着かせる意味があります。
2.【四智梵語(しちぼんご)】作曲 唱和/松島龍戒 編曲/車川知寿子・松島龍戒
El./車川知寿子 Pf./塙坂仁美 Perc./池田安友子
万物の個性、違い、価値、役割を認め、すべての生命が平等であるという、根本仏・大日如来を称える、高野山真言宗の代表的な声明です。
人はみな、思い通りにならない毎日を、時に成功し、時に失敗しながら必死で生きています。その行いは心の奥底に住まわっている仏の行いであり、なにひとつ無駄がなく価値あるものだと気付くことができますように。そんな願いを込め、作曲編曲された音楽とともにお唱え致します。
3.【祈願文】唱和/松島龍戒
高野山真言宗の法要の形式に則り、ご来場の皆様 そして世界の人々に祈りを捧げる言葉を読み上げます。
4.【散華(さんげ)】唱和/松島龍戒・和歌山青年教師会
僧侶たちが仏に花と香りを捧げて供養するときに唱える声明です。
「仏さまに香や花をお供えしよう。この功徳があまねく一切にめぐり、皆が仏の道を成し修め、全ての衆生が安楽でありますように」という願いが込められています。
5.【対揚(たいよう)】唱和/松島龍戒・和歌山青年教師会
前曲の「散華」に続いて唱える声明です。
「散華」で、仏に花を供えたことに続いて、「対揚」では祈願成就を祈ります。
ご来場のみなさまそれぞれにお持ちのお願い事を心に想い、お聴きください。
6.【理趣経 中曲勧請((りしゅきょう ちゅうきょくかんじょう)】
作曲 唱和/松島龍戒 編曲/車川知寿子・松島龍戒 唱和/和歌山青年教師会
El./車川知寿子 Pf./塙坂仁美 Perc./池田安友子
高野山真言宗の日常の法要に欠かせない大切なお経で、私たちの「人間らしさ」に共感してくださる大日如来の言葉が説かれています。
六つの段落に亘るとても長いお経のうち、本曲はイントロの導入部分で、仏さまをお招きする意味から「勧請」と呼ばれます。
7.【理趣経 中曲初段(りしゅきょう ちゅうきょくしょだん)】
作曲 唱和/松島龍戒 編曲/車川知寿子・松島龍戒 唱和/和歌山青年教師会
El./車川知寿子 Pf./塙坂仁美 Perc./池田安友子 尺八/辻本公平 三味線/和田正史 Ba./金森良祐
理趣経の六つの段落のうちの第二段のお経本体部分。この段落はさらに十七段に分かれていて、本曲はその最初の段であることから「初段」と呼ばれます。
本来苦しみの原因ともなる「欲」も、正しく使えば大いなる生命活動の原動力であるから大切にしてよいことを説くお経を、ダイナミックなリズムで表現しています。
8.【至心回向(ししんえこう)】唱和/松島龍戒・和歌山青年教師会 作曲 編曲/車川知寿子・松島龍戒
El./車川知寿子 Pf./塙坂仁美 Perc./池田安友子 vocalise/山本弥生・十鳥可奈子
コーラス・U グイス(練習Pf./綿田真弓)
何ものにも代えがたい、有り難いお経に接することができた喜びと功徳を、世の中のすべてと分かち合うためのお経で、主に法要の締めくくりにお唱えします。
「深く暗いところから自らを悔い、悩み、やがては救われて歓びの高みにのぼってゆく」ことを表現した、厳粛、且つ荘厳な音楽とともにお唱え致します。
【休 憩】
■プログラ 第二部■
1.【いろは歌】編曲/車川知寿子 唱和/コーラス・U グイス ※U=You グイス=拝詞
El./車川知寿子 Pf./塙坂仁美 Perc./池田安友子 (練習Pf./綿田真弓)
作者は諸説あるが、院政期以来卜部兼方の『釈日本紀』で、「いろは歌」は 空海(弘法大師)の作と記されている。
文脈の解釈として中世から現代にいたるまで各種の解釈がなされてきたが、多くは「匂いたつような色の花も散ってしまう。この世で誰が不変でいられよう。いま現世を超越し、はかない夢をみたり、酔いにふけったりすまい」などと、仏教的な無常を歌った歌と解釈してきた。いろは歌は『涅槃経』の中の無常偈(むじょうげ)「諸行無常、是生滅法、生滅滅已、寂滅為楽」(諸行は無常であってこれは生滅の法である。この生と滅とを超えたところに、真の大楽がある)の意訳であるとの説があるが、他にも諸説ある。
2.【愛と別れ(横笛の詩)】作曲/千秋次郎 作詞/小川淳子 唱和/松島龍戒・十鳥可奈子
紀州かつらぎふるさとオペラ「横笛の詩」で、2012年初演から歌われている 滝口入道と横笛の二重唱。
■寂静の章「第二幕 第三場/高野山 大圓院」
滝口♪ 私はいま 雲を見下ろす 高野の森に立つ 木々を吹きわたる 風に聞くのは 横笛の詩(うた)
浮き世を捨てた わたしにも 初めての恋に身を焦がした 想い出が よみがえる
「華やかななかにも切ない 横笛の詩(うた)」
横笛♪ 私はいま 雲を見下ろす 高野の風となり 木々を吹きわたり 君にとどける 横笛の詩(うた)
浮き世を捨てた わたしにも 初めての恋に身を焦がした 想い出が よみがえる
二人♪ 愛し(愛し) そして別れた ふたつの心 別れてなおも(別れてなおも) 愛し合う ふたつの心
人の世の 悩みをいやし 後の世に 悟りをひらく そのための よすがとなって
やさしく響く 横笛の詩(うた)
滝口♪ 此世及後生 [し せ ぎゅう ご しょう] 横笛♪ やさしく響く
滝口♪ 願佛常攝受 [がん ぶつ じょう しょう じゅ] 横笛♪ 横笛の詩(うた)
滝口♪ 願共諸衆生 [がん ぐ しょ しゅう じょう] 二人♪ 往生安楽國 [おう じょう あん らく こく]
3.【愛憎から浄心へ】opera「横笛の詩より」 作曲/千秋次郎 作詞/防野宗和 唱和/十鳥可奈子
2018年3月 opera「横笛の詩」第参回公演で初めて歌われた横笛のアリア。
■恋風の章「第一幕 第四場/嵯峨野 往生院 三宝寺(現 滝口寺)」/般若の愛憎場面から小面の浄心場面の歌
般若♪ 嵯峨の奥里 破れし柴の戸の その前で 声を絞り 心立たせ 刹那に呼べど
「貴方の 気高(けたか)しくも麗しき心 何も聞こえはしない」
♪ なにゆえに 一目ながらも会えぬとは あぁ あぁ この無情 この悲しみ この憎き憎き 思い
如何に如何に晴らそぞ あぁ
小面♪ 嵯峨の澗水 手のひらにすくい 明日もまた 生を繋ぎ 夕に神を 養いましょう
「貴方の気高くも麗しき心に わたくしも続きましょう」
♪ つる草や ささめの草で 身を覆い あぁ あぁ あの無情 あの悲しみ あの憎き憎き思い
全てを捨てて 御仏の道へと 進まん
4.【追悼和讃(ついちょうわさん)】唱和/松島龍戒 編曲/車川知寿子 唱和/和歌山青年教師会
El./車川知寿子 Pf./塙坂仁美 Perc./池田安友子
先立たれた大切な人を偲ぶ五七調の和歌に、しめやかな旋律をつけて唱える和讃です。
この世のはかなさを気付くいっぽうで、仏に救われゆくことを願う、希望に満ちた曲です。
5.【般若心経(はんにゃしんぎょう)】唱和/松島龍戒・和歌山青年教師会 作曲 編曲/車川知寿子
El./車川知寿子 Pf./塙坂仁美 Perc./池田安友子 尺八/辻本公平 三味線/和田正史 Ba./金森良祐
コーラス・U グイス
正式名称は【仏説摩訶般若波羅蜜多心経(ぶっせつはんにゃはらみったしんぎょう)】
「この世の一切は はかなくもかけがいのない」ことを説き、供養、祈願、どんな時にもありがたく唱えます。
アンコール【称名礼(しょうみょうらい)】唱和/松島龍戒・和歌山青年教師会
仏教で大切にしている、仏、教え、精霊、仏の世界などを称える声明です。